1/72 P-40Nの早作りに挑んだ作業時間を記録し、敗因を探った

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ツイッタア上の早組み企画、プラモタイムトライアルに参加してみた。
完成の喜びを1日で」をテーマに、24時間の制限を設けることで、普段なかなか完成できない人も頑張って完成させようぜ! と云う企画である。
先に書いておくと、案の定、24時間を大幅に超えてしまったのだが、今回は後学のため、各工程の大まかな内訳を記録して、分析してみた。


今回選んだのはハセガワのP-40N。なんか今年はハセガワのキットばかり作ってるな……。
キット選定の理由は、同時期に開催されていた「ハセガワA帯コンペ」と云うツイッタァ企画と掛け持ちするためで、こちらはハセガワの現行A帯キットを箱に入ってるものと汎用素材だけで完成させる、と云う縛りつきコンペ。
こちらにまとめられているが、正統派からトリッキーなものまで色々あって面白いので一度ご覧あれ。


こちらは、以前イタレリスツーカの素性についてコメントいただいたスツーカマスター、百合塚氏のネガポジ反転塗装。画像を色反転させると本来の色にみえる、と云う、デジタル時代ならではの騙し絵塗装。

何も考えずに作ると、急いでも60時間掛かる

ハセガワ 1/72 P-40N完成までの作業時間内訳
こうして可視化してみると、最低限のことしかしてないつもりで意外と工数が多い。

まずは結果から。
総工程61時間、内、赤字の要素は完成後やらなくても変わらなかったな、と思った要素と、凡ミスによる回り道。
それらを差し引いても46.5時間、まだ目標の24時間の倍近い

ハセガワ 1/72 P-40Nの室内
仮組段階では室内に何もないのが目立ったので最低限のディテールを加えたが、色を着け、窓枠が付くと全く見えず無駄骨だった……。

ちなみに、以前の開催回のまとめにあるように、エアモデルに限らず、24時間以内にちゃんと全塗装して完成させている人はかなり多く、時間設定自体はそこまで無謀ではない筈だ。
にもかかわらず、何故私は倍かかるのか? 少なくとも、赤文字以外のところに無駄作業はない、と自分では思っていたのだが。

割り切りのセンスに長けた人なら、6時間で完成する

同様の問いをツイッタァで発したところ、プロフィニッシャーのおいさま氏から、無駄を省けば10時間くらいでできるのでは? と云う回答と、実演動画が届いた。

なんと10時間どころか、休憩込みで6時間15分である!!

工程の一部始終が動画公開されてるので分析してみると、基本的に手を動かす速度自体は私とあまり変わらない印象。ただし、手戻りや試行錯誤が一切ない分だけ早い。

運動能力よりも手数と迷いの差?

具体的には、例えばキャノピーのマスキング、おいさま氏は、テープを貼ってフリーハンドで一発カット (!!) していて、約10分で完了。
ここを私は、まず短冊を切り出し、貼った後に全体を見て太さが揃ってない所を再度貼りなおしたりしているので、約1時間掛かっている。
たぶん、ナイフを動かす速度に大して差は無いが、トータルでナイフを動かす回数、ピンセットでテープを貼る回数など、手数が数倍であるが故に、時間に圧倒的な差が出ている。
あと、水平尾翼の角度決めが1分以内で終わってるが、少なくとも私は10分弱は掛けてた筈。ここの迷いの差も決定的。

どうもわからないのが塗装で、全体に色を付けるのに2倍くらいの時間差がある。
希釈率やコンプレッサーの気圧はほぼ同等だと思うのだが、明らかに動画でみるおいさま氏の塗装の方が色が乗るのが早い。原因は判然としないが、もしかしたらハンドピースの口径を使い分けるべきなのかもしれない。
私が使っているのがタミヤの一番古いダブルアクションのものなので、恐らく0.2mm。これは、0.3mmくらいで良いのかも

余計な事をしなければ26時間まで詰められるが……?

あと、複数の方から指摘を受けたのが、そもそも早組み企画で説明書以外の工作をするのが間違っておる、と。これは目から鱗だった。

例えば今回であれば、翼端を薄くし、キャノピーのラインを胴体とつなげるのに、合わせ目消し込みで6時間半。これは純粋に合わせ目を消すだけなら1時間そこそこではないか。

ハセガワ 1/72 P-40Nの翼後端処理
翼後縁は薄くしないと落ち着かない性分。

他にも追加工作として、スジボリの修正や復活、カウル内の仕切り追加や方向柁の開口で7時間、キャノピー窓枠の追加に3時間、アンテナとピトー管の新造に1時間掛けている。
これらを全て省くと11時間の短縮

ハセガワ 1/72 P-40Nのキャノピー枠の追加
先の写真の通り、キットのままだと可動部と固定部がツライチで後ろにスライドできないように見えるので、可動部の窓枠だけプラペーパーを貼って段差を作る。

キット指定にない赤色空軍使用のマーキングを描くのに5時間、これはキットのデカールを貼るだけなら1時間程度でできそうなので4時間縮められる。
これら全てを省略すると、20時間半削れる計算となり、26時間。かなり近づいてきた!

時間のために娯楽の本質を削ってはならない

ただ、この20時間半は、マーキングを除き、私の中では基本工作の範疇であり、これを省略して楽しいのか、完成して満足できるのか、と云うところに疑問が残る。

たぶん、次回、そこそこ出来の良い72単発レシプロ機を完全素組すれば、或いは24時間の壁を突破できるかもしれない。
しかし、最後に削った20時間半の工程について、完成後もずっと後悔してしまうだろうと思う。そこが、私にとって模型作りの楽しみの核心の部分だったのだな、と文字に起こして気付いた。
すなわち、キットの状態から「より実物 (キャラクターモデルの場合は、実物があったらと想定した姿:必ずしも元絵に忠実とは限らない) に似せてゆく過程」の楽しさ、気持ち良さのために、私は模型を作っている

結果として、タイムトライアルは連敗レコードを更新中なのであるが、何が楽しくて模型を作っているかを自覚できたのは収穫だった。
製作中にモチベーションが下がること、飽きてしまうことは誰しもあると思うが、そうしたとき、自分にとっての「楽しみの核心の部分」がまだその作品に残っているかをを見直してみるとよいかもしれない。

分析だけではあんまりなので

さて、分析だけではあまりにもP-40が不憫なので、完成写真を ()

ハセガワ 1/72 P-40Nを右から
画像クリックで拡大。手間は掛かったが、マーキングはほぼイメージ通り。

ハセガワ 1/72 P-40Nを前から
画像クリックで拡大。プロペラ軸は延長して差し込むだけにして遊ばせたので、風を当てるとまわる。

ハセガワ 1/72 P-40Nを左から
画像クリックで拡大。ピトー管とアンテナは自作したなりにシャープになったと思う。

ハセガワ 1/72 P-40Nを右から
画像クリックで拡大。主翼上面の四角いパネルは機銃弾薬装填用のハッチ。可動部なので、他のパネルラインより強調してみた。

ハセガワ 1/72 P-40Nを右から
画像クリックで拡大。後部窓枠は極細なので、スジボリ+スミイレで表現。人が触れる所には、グレーで軽く銀ハゲ表現を。

赤色空軍仕様の元ネタはここの塗装図で、これを原寸大にプリントアウトしたものにマスキングテープを貼ってマーキングの形に切り出してみたのだが、星印はともかく、数字は全くお話にならない酷い出来で、修正を繰り返した結果、ほぼ手描きになってしまった。

ハセガワ 1/72 P-40Nのマーキング
星はそこそこ上手く行ったが……。

これは、早作りをしないなら、以前紹介したカッティングマシンを使って切り出すのが最適だと思う。

ハセガワ 1/72 P-40Nのマーキング
数字はてんでダメ。この後延々手修正する羽目に。

塗装は、迷彩パターンからすると、米陸軍塗装のまま国籍と機番だけ書き換えたと思われる。
今回はタイムトライアルだったのであまり深追いせず、ググって出てきたFS番号を修正マンセルに置き換え、手持ちで近い色を当てはめただけ。

下面色の43ニュートラルグレイはFS値を信じるならもっと暗くても良いのだが、実機写真の印象とかけ離れてしまうのでMr. カラーの軍艦色1を使用。41オリーブドラブは私にしては珍しく () Mr. カラーの12番オリーブドラブそのまま。
迷彩色の43ミディアムグリーンは、FS値のままだと鮮やかすぎて違和感バリバリだったので、やや彩度を抑えた Mr. カラーのRLM 83を使用。

旧国籍マークにオーバースプレーされているAMT-4は定番の特色303番で。赤い星は、以前強風の日の丸に使った、サンダーバーズ赤と原色赤を混ぜた暗めの赤。


と云うわけで、プラモタイムトライアルは、どうも飛行機だと無理っぽいのが判ったので、次回はジャンルを変えて参戦してみようかなと思う。
あと、ソ連マーキングのP-40はかなり格好よいので、いずれタイムトライアルではない形で、今度は同部隊の白の23番機をちゃんとディテールアップして並べてやろうかな。

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