単檣はテーパーが命 – 1/700で樅型駆逐艦をつくる: 11

今回は魚雷発射管と、前檣・後檣の工作。これでひとまず、シルエットを構成する要素は出揃った。

単檣はテーパーが命謹賀新年……
無事カメラも発見して、ようやっと製作記事再開でございますよ。

まともな? 製作記事は昨年9月以来、実に4か月振り
何もかもが懐かしい (←??)


前回までの工作でほぼ主要部のバランス取りは終わり、残る主要構造物は魚雷発射管と前後檣くらい。
今回はここを一気に片付ける。

魚雷発射管はキットの部品が、ややモールドにキレが無いものの、サイズとバランスは中々良好なのだが、以前の主砲の場合と同じく、今後、峯風型駆逐艦や5,500トン級巡洋艦を作る際の整合を鑑み、ピットロードの「新 WWII日本海軍艦船装備セット [4]」に入っている六年式連装発射管を使用した。

しかし、残念ながら同社お約束のオーバースケール癖が出てしまっており、左右発射管の間隔が広すぎて印象が悪く、そのままでは使えない。
一度左右の発射管と中央の操作部を切り離した後、操作部を幅詰めして再接着した。
図面からの印象だと、左右発射管の間隔はちょうど発射管1本分くらいのイメージ。
発射管の全長はそのまま。 ディテールは流石ピットロード製品、とても素晴らしい

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」キットと、ピットロードの装備品セット、ピットロード改造の、各六年式連装発射管比較
発射管の間を詰めただけで迫力が増したように見える気がする。

しかも、旧装備品セットから更に進化して、装填された魚雷も別パーツで用意されており、真横から見た際に、ちゃんと先端の匙から魚雷の弾頭が覗いているのが確認できる。これは燃える。すげェな。
実は、今回、キットパーツから敢えて手間の掛かるピットロードの部品に交換した真の決め手はここだったり。

発射管の下につく旋回盤は、キットの物もピットロードの物もややバランスが異なるので、コトブキヤのプラユニットの丸バーニヤから4mm径のものを薄く削り込んで使用した。
高さの目安は、甲板面に置いた場合に、丁度、魚雷1本分隙間が開くくらいで。

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」をベースした、「蓮」の側面
苦心のテーパー部分がびっくりするくらい保護色……

前後檣はプラストラクトの0.3mmプラ棒に置き換え。
以前、前檣の信号斜桁の位置に各型ごとの相違があるように書いてしまったが、今回改めて写真を確認したところ、前檣短縮時の所属が第15駆逐隊だった4隻のみが斜桁の位置が高く、他は「樅型」~「若竹型」までほぼ同じ位置であることに気付いた。
よって、3隻とも同じ形状にしている。

前後とも、主柱にはテーパーが欲しかったので、ここだけ伸ばしランナーを使用。 いずれも基部が0.5mm径/頂部が0.3mm径になるように作成。
三脚楼などは密度感があるので主柱が均一な太さでも余り気にならないが、単檣にはやはり、きっちりテーパーを付けた方が見栄えがすると思う。

数年ぶりの模型製作で一番ウデの衰えを感じたのが、伸ばしランナーづくりの技術である。
昔はあまり意識せずとも、感覚的に好きな太さとテーパーの物が簡単に作れたのだが、今回は失敗の山。
結局、大量に作った中からマシな物を選び、更に削り込んでテーパーを揃えるという、かなり面倒な作業になった。


これで一通りシルエットを構成する要素は揃った。あとは、ディテールの密度をどうするか。
こういう事は、妄想……もとい、計画を立てる時が一番楽しかったりするよね。

さて、冒頭のカメラ発見の件、見つかったのは、なんと模型用の工具・素材箱の中。最近ブログ用の写真ばっかり撮っていたので、自分の中では工具扱いで梱包していた模様
探すのに疲れ果て、諦めて模型作るかと思った矢先の発見である。もっと早く諦めて模型作ってりゃ良かったのか () お粗末。

伸ばしランナーの件といい、やはりモデラーは常に手を動かし続けるべし、という教訓なのである。(そうか??)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です