カネと手間を掛けず、ポイントを絞ってディテールを加える – 1/700で戦艦三笠をつくる: 前篇

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早いもので、燕雀洞も今日で5周年である。さりとて特別な事をする訳でもなく、平常運転ではあるのだが。

さて今回は、去年作ったハセガワの「三笠」。肩慣らしに作ったものなので、あまり大きく手を入れず目立つところだけお手軽に、と云うコンセプト。
それでも数か月掛かるのだが ()


前述のとおり、お手軽工作なのであまり突っ込んだ検証はせず、原書房の図面と、あとは八坂八郎氏のブログ「軍艦三笠 考証の記録」による考察を参考に手を入れてゆく。

キットは先行するシールズモデルの「三笠」に比べると、タンブルホームの表現など素晴らしく、また、シリーズ初の前弩級艦と云う意味でも意義ある存在だろう。
一方、副砲や各種小口径砲が全体に太目なのと、舷側の防雷網展開用の支柱 (以下、「ネットスパー」) が船体に一体成型で前後から見た際の見栄えがイマイチなのが気になる。

そこで、それらの修正を中心に、あとは全体の解像度を合わせる方向性で軽くディテールアップを施してみた。

砲身は、これだけの数を挽物砲身に置き換えるのはコスト面で大変なので、WLシリーズ共通ランナーの小型艦用、通称Xランナーの潜水艦用の各種単装砲を使用した。これは結構余っている人も多いのでは。

WLシリーズ共通パーツによる「三笠」小口径砲の置換
15cm砲は14cm砲、7.6cm砲は8cm砲の砲身にそれぞれ置換。

WLシリーズ共通パーツによる「三笠」小口径砲の置換
露天甲板の7.6cm砲は10cm砲、47mm砲の砲身は0.2mm真鍮線に置換。

ネットスパーは一度削り落とし、0.3mm真鍮線に置換。併せてネットラックと防雷網も追加してみた。

鉛板による防雷網
釣り用の0.3mm鉛板を丸め、ラジオペンチの先端でモールドをつける。

鉛板による防雷網
写真ではネットスパーをプラ棒で作っているが、撓みが出てしまったので真鍮線に変更。

キットは何故か、前後檣とも主柱の中段プラットフォームから上が少し短いので延長。
トップ檣は基部0.5mm・頂部0.3mmになるように銅線をテーパー付けし、長さは35mm。

マストの修正
写真の白いところの長さが概ね6mmになるようにすると、実物のバランスに似る。

中段クロスツリーは前後とも同型で、最前部だけ開き角が狭い不思議な6枚構成。
キットでは省略されているのでプラ板で追加。また、ファイティングトップ床面には出入口の穴があるので、ピンバイスとナイフで開口した。
出入口の工作はシルエットには全く影響しないが、これがないと構造上マストに昇れない。 個人的にこの手の整合は気になるところ。

クロスツリー
軽め穴に挑戦してみたが、1枚つくるのに、2、3枚ずつ失敗するのでもうやらない。

鉛板による防雷網
前後檣とも煙突側に開口部が来る。

マストの修正
二次大戦の頃の間に比べると、マストの背が高いのが印象的。横桁は0.3mm、斜桁は0.2mm真鍮線。

艦橋窓が抜けていないのでプラ板で自作。この時期の英国建造艦は窓枠が太く、エッチングの汎用窓枠パーツよりもプラ棒で組んでやる方がそれらしくなる。

艦橋の自作
天蓋部分はキットパーツを使用。

キットの短艇は、アウトラインは良いものの、フチや架台が分厚く印象が宜しくない。今回はお手軽工作なので、フチを削らずカンバス掛けにして逃げる。架台は誤魔化しようが無いので、ひたすら削る。

短艇の工作
布の再現はいつも通り、マスキングテープの瞬着固め。

カッターはダビットから吊下用フックが伸びるので、内部にプラ板で骨を入れ、チェーンが吊られて引っ張られている風に。左舷後ろの1艘はデリックとの干渉を避けるため2フィート短いらしいので、真ん中で切って短縮。

短艇の工作
カッターは即応用にすぐ降ろせるようロープを巻いてない、と云う想定。

キットのダビット類は太いのでナノ・ドレッドと0.3mm銅線に置き換え。銅線をプラパイプに巻きつけ均一なRをつける。
艦首アンカーダビットは戦闘時には取り外されたようなので、基部のみプラ棒で再現。

ダビットの工作
写真を見ると、こんな感じで円断面と角断面のダビットが混在している。

ダビットの工作
錨鎖はいつも通りエアコン用ダクトテープの細切り。


主だった工作はこんなところで、いつもの迷走する調べ物がないので、なんか凄く王道な模型ブログっぽい記事な気がする。
後篇は竣工時の白黒塗装と、キットの仕様をそれに合わせて変更した箇所について。

  1. ガク@大磯海軍工廠 | | 返信

    良い感じです(^^)/
    さすが、マストのバランス取りが素晴らしいです。

    1. 春園燕雀 投稿作成者 | | 返信

      ありがとうございます。ツィッタァの方の返信と多少被りますが、マストは徒に細くするだけではなく、他の箇所との関係性を踏まえた適度な太さが肝要と考えています。
      特にこのようなシンプルな構造だと、小口径砲の砲身など似た太さの物との関係、そして主柱と横桁、斜桁の関係などを自然にしてやらねば、細くしても玩具然とした雰囲気になってしまうと思います。

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