素組でも良い出来、そして、少し手を入れると極上。 – 1/700で夕雲型駆逐艦をつくる: 完

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ハセガワ「夕雲」は今回で最終回。ニューキットレビューとして請けた作例なのであまり時間を掛けてない、と云うのもあるが、それを差し引いても今までの燕雀洞で扱ったキットの中で際立って突っ込みどころが少ないのだ。


今回は、特に塗装に新機軸を盛り込んでないので完成篇に纏めてしまう。

ハセガワ「夕雲」の塗装
クリックで拡大。今回の写真はすべて拡大できる。

船体はガイアノーツ鉄道カラーのねずみ色1号。これは瓶生で修正マンセルN5近似の非常に使いやすいグレー。艦底色はMr.カラーのあずき色でこれも瓶生。
リノリウムはいつもの自家調合で、カンバス部分は戦中仕様でいつもより少し暗め。色調的にはタミヤカラーのデッキタンに近い。木部はMr.カラーのサンディブラウンをベースに何色かフィルターして少し赤めに振っている。

小ディテールアップしたハセガワ「夕雲」と素組「早波」の比較
奥の「早波」は素組。艦橋窓は抜けてないのでタミヤエナメルのロイヤルブルー+黒で塗っている。

小ディテールアップしたハセガワ「夕雲」と素組「早波」の比較2
キットの後檣は、抜きの関係でX字型の横桁や旗用の斜桁が再現されてないのが気になるところ。

比較用の素組は中期型の「早波」だが、御覧の通り基本のスタイルが良く、素組でも非常に格好良い。前回解説した通り、本作例でもスタイルには一切手を入れておらず、基本的にはマストやダビット、機銃など成形の都合でどうしても太くなってしまう部分を中心に加工してあるのがお判りいただけるだろう。

小ディテールアップしたハセガワ「夕雲」
いつもなら過剰なので削ってしまうジャッキステーや甲板辷り止めのモールドだが、このキットは控えめで上品なのでそのままでも良い感じ。

小ディテールアップしたハセガワ「夕雲」
軍艦旗はニューキットレビューと云うことでキット付属のものを用いたが、もう少し小さくても良いかも。

最後はいつもの海上風セッティングの写真で。実写風に撮ると、キットのシルエット把握の的確さがより引き立つように感じられる。形状把握・組みやすさ・モールドのバランスが絶妙で、発売からすでに3年経った現在でも1/700駆逐艦キット最高峰の一つだと思っている。

主要参考資料

まずは書籍。戦中竣工でとにかく写真の少ない艦級なので、定番写真集でも一切写真の掲載のない艦が多い。特に上から撮られた写真は乏しく、平面形状や、横から見えない箇所については図面からの判断が主となるだろう。作例製作時点では今日の話題社の図面集を主に用いたが、今なら岩重氏のビジュアルガイドのトレース図面が見やすくかつ1/700原寸で便利。

  • 福井 静夫『写真 日本海軍全艦艇史』KKベストセラーズ、1994年
  • 『日本駆逐艦史 世界の艦船 1992年7月号増刊』海人社、1992年
  • 『写真 日本の軍艦 第11巻 駆逐艦II』光人社、1990年
  • 『歴史群像 太平洋戦史シリーズ51 帝国海軍 真実の艦艇史2』学習研究社、2005年
  • 『軍艦メカ4 日本の駆逐艦』光人社、1991年
  • 『海軍艦艇公式図面集』今日の話題社、1992年
  • 『歴史群像 太平洋戦史シリーズ19 陽炎型駆逐艦』学習研究社、1998年
  • ウェブ資料では、おなじみのアジ歴が有用。特に「夕雲型」については多くの艦が籍を置いた二水戦の戦時日誌が多く公開されており、各種兵装の装備状況を追うのに便利。また、ウィキペディアはそれのみで信用するには怖いが、「夕雲型」については各艦のページにかなり詳細に記載されており、元となった参考文献も記載されているので、そこから裏取りすることで効率的に調べられるだろう。


    さて、10年近く使ってきたデジカメが壊れてしまい、カメラ兼用とするためスマホを新調したのだが、今どきのスマホと云うのは画質が良い。今回の写真はすべてスマホ撮影で、流石にピントの範囲は狭く、絞りも固定だが、それでも照明を整えてやると中々良い感じに撮れるものだ。

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