レーダーアンテナに敢えてエッチングを使わない、と云う選択 – 1/700でKGV級戦艦プリンス・オブ・ウェールズをつくる: 8

高角砲や対空機銃の管制に使われる対空レーダー、フライホークの「プリンス・オブ・ウェールズ 豪華版」にはエッチング製のアンテナが付属している。
これをそのまま組めば、手軽に精密でスケール感に見合うレーダーアンテナが再現できる……と思いきやさにあらず。
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副錨はニューファンドランドに消えた – 1/700でKGV級戦艦プリンス・オブ・ウェールズをつくる: 7

「プリンス・オブ・ウェールズ」(以下、「PoW」) の副錨について、以前ツィッタァにて、キットの副錨が撤去状態なのは同型艦の写真からの誤認ではないか、と書いた。
しかし、そうではなかったのだ。写真からは撤去のタイミングが数日単位で絞り込めるのだが、状況としては不可解なものであった。
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クレーンの「エッチングパーツ臭さ」を抜いてみる – 1/700でKGV級戦艦プリンス・オブ・ウェールズをつくる: 5

船体中央部にある1対のクレーン、豪華版キットにはエッチングパーツが付属している。こう云ったトラス構造の部品はフォトエッチングの最も得意とする表現だが、その一方で随所に薄板を組み合わせるが故の表現の限界も目立ってしまう。そこで今回はそうした「エッチングパーツゆえの弱み」の部分に着目し、自然に見せる工夫をしてみようと思う。

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筏に載ってる束状のアレ – 1/700でKGV級戦艦プリンス・オブ・ウェールズをつくる: 4

なんか見覚えはあるけど、それが何者なのか、素材は何なのか、よく判らないままキット指定通りに作って塗るのはモヤモヤする。こう云うとこで手が止まると、完成遅れるんだよねェ。

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柔らかく歪みやすいマストを金属化する – 1/700でKGV級戦艦プリンス・オブ・ウェールズをつくる: 3

精細な彫刻ゆえかフライホークのプラはかなり柔らかい。ある程度の年齢の方ならビッグワンガムっぽい感じの軟質プラと云うと伝わるだろうか。この弊害が顕著に出てしまうのがマストで、限りなく細く成形されているがゆえに曲がりやすく歪みやすい。

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船体は大難を避け、小修整で折り合いをつける – 1/700でKGV級戦艦プリンス・オブ・ウェールズをつくる: 2

キットの船体は目立つ寸法差異もなく、艦首フレアの感じなど実物の印象を良く捉えていると思う。ただ、いくつか気になる点があり、しかも修正難度が割と高いので、完璧を目指すと大変かもしれない。

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デンマーク海峡海戦時との違いを洗い出す – 1/700でKGV級戦艦プリンス・オブ・ウェールズをつくる: 1

序論で述べた通り、今回は最終時のキットをデンマーク海峡海戦時として製作している。まずは、その差異を洗い出してみようと思う。

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「豪華版」キットに挑む – 1/700でKGV級戦艦プリンス・オブ・ウェールズをつくる: 序

先年のイラストリアスに続く、HJ誌の英国艦作例はなんと戦艦、しかも箱を開けただけでお腹一杯になると評判のフライホーク (鷹翔模型) の新キットであった……と云っても製作が一昨年、誌面掲載が昨年で今やニューキットでもないのだが。普段の作風とは全く違うこのコテコテ濃味キット、さてどう料理したものか。

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半世紀ぶりのリニューアルキット – 1/700で夕雲型駆逐艦をつくる: 序

今や新製品でもなんでもないのだが、一昨年モデルアート誌に新製品作例として掲載された「夕雲型」をあらためて解説したいと思う。

初回はまず、キット概要と連載の方向性について。
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初英国艦にして、初空母 – 1/700で初代空母イラストリアスをつくる: 完

アオシマのリニューアル版「イラストリアス」の完成である。餓鬼の時分に作り散らかしたのは措いといて、模型をちゃんと作るようになってから最大のフネである。

また、空母を組んだのも初めて、おまけに英国艦も初めてである。それ故に完成後1年以上経た今では色々粗が気になってしまうが、ともあれ完成できた、と云うのは自信につながるものだ。

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