写真を手掛かりに「天龍」と「龍田」の艦橋を作り分ける – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 7

写真を手掛かりに「天龍」と「龍田」の艦橋を作り分ける

前回、意外な新情報によって「天龍」の艦橋形状については、かなり詳細を知ることができた。

しかし、「龍田」については依然として情報に乏しく、開戦直前に撮影されたわずかな写真を手掛かりに形状を特定する他ない。

今回は、不明なりに「天龍」と「龍田」の差異が判るように作り分けるとともに、艦橋基部の時と同様、写真を元にした推測により、両艦の羅針艦橋の基本寸法を割り出してみようと思う

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戦時中の「天龍」かもしれない写真を検証する – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 6

戦時中の「天龍」かもしれない写真を検証する

先日、AKIベエ氏より、前回の艦橋の記事にコメントを頂き、「一億人の昭和史 [10] 不許可写真史」に掲載されている写真が、戦時中の「天龍」ではないか、というご指摘があった。

私は寡聞にして、同書の存在すら知らなかったのだが、幸い、近所の図書館に所蔵されており、早速検証してみた。

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「球磨型」の図面から、艦橋基部の平面形を考える – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 5

「球磨型」の図面から、艦橋基部の平面形を考える

「天龍型」の艦橋については、図面の類が一般には出回っておらず、また、旧式艦のためか、出版物による写真資料でも鮮明な写真に恵まれていない。

そこで、後継の「球磨型」の形状から逆算して、艦橋基部の平面形を導き出せないか試してみた

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ディテールの密度を意識して後部操舵室周りを構築する – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 4


ディテールの密度を意識して後部操舵室周りを構築する

今回は、後部操舵室とその周辺の工作について。

ここ数回の妄想祭りに比べると、ディテールなんかは写真準拠でサクサク進められたので、スケールモデル作ってるなー、という実感がある。

じゃあ、いつも作ってるのは何だ、と問われると困るのだが。

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写真を基に、煙突周辺のディテールを読み解く – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 3

写真を基に、煙突周辺のディテールを読み解く

今回も、前回に続いての、妄想系考証 (なんだそれ) 記事である。

公式図面や写真の充実した艦で、資料に忠実に解像度を上げていく様な工作も楽しいが、こういった、資料の無い艦の不明部分を断片的な情報を積み重ねて補ってゆく作業には、謎解き的な別種の楽しみがある。

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上甲板についての3つの仮説 – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 2


上甲板についての3つの仮説

前回、前々回で述べたように、「天龍型」の平面図は一般には流通しておらず、甲板上の諸装備は多くの部分を推定に拠ることになる。

今回はそれらの中から上甲板関係の3つの事について、例によって妄想を交えつつ考えてみたいと思う。

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スクラッチした方が早いのか? – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 序

昨年、久々に模型を作ろうと思ったとき、実は復帰用に買ったのは「天龍」「龍田」の、「天龍型」軽巡の2隻。
他の軽巡はもちろん、駆逐艦に比べても構成要素が少なく、簡単に完成するのではないかと思ったのだ。

ところが、この「天龍型」、5,500トン級の陰に隠れて影が薄いのか、まとまった資料に恵まれない
公式図面はおろか、上空写真すら良いものが無く、基本形状、特に平面形の把握がきわめて難しいのだ。

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傾斜梯子・軍艦旗・伝声管など、細部工作の小技集 – 1/700で樅型駆逐艦をつくる: 21

一本記事を立てる程ではないけど、ちょっと艦船模型の見栄えが向上するかもしれない細部工作の小ネタ。

傾斜梯子・軍艦旗・伝声管など、細部工作の小技集塗装についてまとめていたら、またしても記事の分量が膨大になってしまった。
先月からの色見本篇に加え、艦艇塗色についての考察と空気遠近法についてのネタで3本くらいの記事になりそうな塩梅。
よって、何をしたか忘れない内に、一旦、基本塗装後に施した細部工作関係を先にまとめることにした。

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短艇模型スペシャル No.3「八八艦隊系駆逐艦の短艇: 内火艇・通船・ダビット篇」 – 1/700で樅型駆逐艦をつくる: 20

各社短艇パーツの比較シリーズ3回目。今回は、7.5m内火艇と6m通船、そしてラフィング型ボートダビットの比較。そして、7.5m内火艇を八八艦隊仕様の6m内火艇へ改造する方法について。

短艇模型スペシャル No.2「八八艦隊系駆逐艦の短艇: 内火艇・カッター篇」
前回、カッターだけで記事がべらぼうに伸びてしまったので、まさかまさかの「短艇模型スペシャル」第3弾。
今回は遂に完結。
や、書いてる方も3回も続くとは思わなかったよ、本当に。

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駆逐艦「藤」元乗組員の所蔵写真から、模型的ディテールを読み解く: 後篇

駆逐艦「藤」元乗組員のお孫さんに送っていただいた、昭和初期の駆逐艦「藤」の写真を、モデラー視点で解説+α。前後篇の後篇。

駆逐艦「藤」元乗組員の所蔵写真から、模型的ディテールを読み解く: 後篇公開順が前後してしまったが、先日の駆逐艦「藤」の写真紹介の後編。

今回は、「おいしいものは最後にとって置く」という古人の格言 (?) に従って、模型向きのクローズアップ多め。

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