各社の14cm単装砲パーツの出来を比較してみた – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 9

各社の14cm単装砲パーツの出来を比較してみた

今回、主砲の50口径三年式14cm単装砲 (以下、14cm単装砲) は、砲身が細くモールドのシャープなピットロードの「新 WWII 日本海軍艦船装備セット [3]」(以下、新PT) のものを使う予定だった。

しかし、新PTの14cm単装砲は、1番砲以外には不要な後端の防水鈑を削り取ると、妙に小さく見えるのに違和感を覚えた。

そこで、その新PTをはじめとした、各社から発売中のキットの同砲の寸法・形状について比較してみた。

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魚雷発射管の周辺構造に悩む – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 8

魚雷発射管の周辺構造に悩む

今回は魚雷発射管とその周辺。

ハセガワのキットでは、まるっと省略されているせいか、予備魚雷格納所やスキッドビームについて参考になる先行作例も乏しい。

艦橋と並んで想像造形の部分が多く、見た目の地味さに反して手こずらされた

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写真を手掛かりに「天龍」と「龍田」の艦橋を作り分ける – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 7

写真を手掛かりに「天龍」と「龍田」の艦橋を作り分ける

前回、意外な新情報によって「天龍」の艦橋形状については、かなり詳細を知ることができた。

しかし、「龍田」については依然として情報に乏しく、開戦直前に撮影されたわずかな写真を手掛かりに形状を特定する他ない。

今回は、不明なりに「天龍」と「龍田」の差異が判るように作り分けるとともに、艦橋基部の時と同様、写真を元にした推測により、両艦の羅針艦橋の基本寸法を割り出してみようと思う

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「球磨型」の図面から、艦橋基部の平面形を考える – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 5

「球磨型」の図面から、艦橋基部の平面形を考える

「天龍型」の艦橋については、図面の類が一般には出回っておらず、また、旧式艦のためか、出版物による写真資料でも鮮明な写真に恵まれていない。

そこで、後継の「球磨型」の形状から逆算して、艦橋基部の平面形を導き出せないか試してみた

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ディテールの密度を意識して後部操舵室周りを構築する – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 4


ディテールの密度を意識して後部操舵室周りを構築する

今回は、後部操舵室とその周辺の工作について。

ここ数回の妄想祭りに比べると、ディテールなんかは写真準拠でサクサク進められたので、スケールモデル作ってるなー、という実感がある。

じゃあ、いつも作ってるのは何だ、と問われると困るのだが。

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写真を基に、煙突周辺のディテールを読み解く – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 3

写真を基に、煙突周辺のディテールを読み解く

今回も、前回に続いての、妄想系考証 (なんだそれ) 記事である。

公式図面や写真の充実した艦で、資料に忠実に解像度を上げていく様な工作も楽しいが、こういった、資料の無い艦の不明部分を断片的な情報を積み重ねて補ってゆく作業には、謎解き的な別種の楽しみがある。

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上甲板についての3つの仮説 – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 2


上甲板についての3つの仮説

前回、前々回で述べたように、「天龍型」の平面図は一般には流通しておらず、甲板上の諸装備は多くの部分を推定に拠ることになる。

今回はそれらの中から上甲板関係の3つの事について、例によって妄想を交えつつ考えてみたいと思う。

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各社プラ材の特性を意識して船体を自作する – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 1

一から船体を作るに当たって、気になったのは以下の4点。

1.強度の確保

2. 反り対策

3. 艦首シアー付近の、左右対称と曲面出し

4. 舷窓等の開口時の、素材由来のフチ欠けや、接合線によるズレ対策

ハセガワの固いプラをひたすら削るよりは楽かと思ったが、実際にやってみると、やはりそう甘くはない。頭を使う分、楽しいのはこちらなのは確かだが

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スクラッチした方が早いのか? – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 序

昨年、久々に模型を作ろうと思ったとき、実は復帰用に買ったのは「天龍」「龍田」の、「天龍型」軽巡の2隻。
他の軽巡はもちろん、駆逐艦に比べても構成要素が少なく、簡単に完成するのではないかと思ったのだ。

ところが、この「天龍型」、5,500トン級の陰に隠れて影が薄いのか、まとまった資料に恵まれない
公式図面はおろか、上空写真すら良いものが無く、基本形状、特に平面形の把握がきわめて難しいのだ。

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「樅型」キットの工作ポイント総まとめ – 1/700で樅型駆逐艦をつくる: 23

「樅型」キットの工作ポイント総まとめ

今回は、過去の22回 (←!!) の記事の総集編。

過去記事全部読むのは面倒臭ェよ、と云う人も、この記事を見れば何をやったか概ね判る筈?

より詳しく知りたい、という奇特な方は、各項目に張ったリンク先を読まれたし。

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